慶應義塾大学SFC研究所ソーシャル・ファブリケーション・ラボ(横浜市中区山下町)と鎌倉市が取り組む、鎌倉版「スマートシティ構想」の実現に向けた実証実験「データウォーク@かまくら」の成果発表シンポジウムが2月27日にオンラインで開催されます。
「データウォーク@かまくら」では、3Dプリントシューズを履いて地域を歩きながら、シューズの底に埋め込まれたセンサで1人1人の歩容データを採取し、市民目線で「まち」を語り合うイベントを実施しました。センサーを搭載した靴(スマートシューズ)を履き、参加者全員でまち歩きを実施。取得した歩行データが、参加者の生活改善や、まちの課題解決にどのように役立つか考え、データを活用したまちづくりにつなげていく取り組みです。
鎌倉市、慶応大学、No Nu Folk Studio、ラピセラ株式会社、ファブラボ鎌倉、HATSU鎌倉が連携して開発したツールを使い、市民が3カ月にわたって街を歩行することによって得られたデータを、デジタル地図上に「見える化」していきました。
慶應義塾大学SFC研究所は、「デジタル化」と「資源循環(サスティナビリティ)」の2本柱でスマートシティ@鎌倉版の実現を目指す鎌倉市と「創造みらい都市の実現に関する包括連携協定」を締結しています。
今回、鎌倉市とソーシャル・ファブリケーション・ラボが、コロナ禍でリモートワークが進む中で参加者を募集したイベントには、参加募集定員の10人に対して50人もの応募がありました。イベントの2回目では、それぞれの足にフィットするように作成された靴が配布されました。
自分の好みに仕上げてもらったシューズの履き心地について参加者からは、「3Dプリンタで靴ができることにびっくり。やわらかくて歩きやすいので、自分の歩きが街づくりに役に立ってくれるのはうれしい。」と3Dプリンタの技術に驚きの声があがっていました。
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 ソーシャル・ファブリケーション・ラボ研究員の淺野義弘さんは「3Dプリンタにより、自分だけの靴を作ることができる。災害の時の避難経路など、歩いたデータなどを使って、防災に強いまちづくりに役立てていくことができる。市民が楽しみながら街づくりに協力できる仕組みになれば、より多くの細かいデータが集まり、データ活用が進んでいく。3Dプリンタで成型してつくる靴は、回収してリサイクルすることも可能なのでエコロジカル。スマホに連動して自分の歩きのデータが取れるので、歩くモチベーションがあがる。この靴を履く楽しみが自分の健康づくりと鎌倉の街づくりに役に立つことになれば、参加者にとってもモチベーションが上がる取り組みになると思う。」と語っています。
イベント3回目の2月27日は、取り組みの結果発表とシンポジウムをオンラインで開催します。シンポジウムは「データを活用したまちづくりの未来について」をテーマとし、南雲岳彦さん(一般社団法人スマートシティ・インスティテュート 理事)、田中浩也さん(慶応義塾大学SFC研究所 教授)、菊川裕也さん(株式会社no new folk studio CEO and Founder)、比留間彰さん(鎌倉市共創計画部 部長)が登壇します。
イベントはWebの申し込みフォームへの登録で、無料で参加できます。
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