横浜市大と京急、金沢区が連携し空き家を学生向けシェアハウスに改装

横浜市立大学(金沢区)と京浜急行電鉄株式会社(東京都港区)、横浜市金沢区による「環境未来都市 横浜“かなざわ八携協定”」のもと、金沢区内の空きアパートをリノベーションした「PRIME CONNECT 金沢文庫」(横浜市金沢区谷津町)が2017年3月7日にオープンした。

オープニングセレモニーには、横浜市立大学の窪田吉信学長及び二見良之理事長、そしてこの企画を担当した同大国際総合科学群人文社会科学系列教授の齊藤 広子さんと学生代表5人が大学側から参加し、国原章弘・金沢区長、京急電鉄の原田一之社長、京急不動産の樫野敏弘社長らが参加した。

PRIME CONNECT 金沢文庫は築40年の木造2階建て、延べ床面積は149.05平方メートル(45.08坪)で計8部屋。 空き家を活用したビジネスモデルを検討していた「京急不動産」と空き家解消に取り組む金沢区が横浜市大と協働し、齊藤広子教授の授業で「ヨコイチ 空き家 利活用プロジェクト」を展開した。

授業では、学生による空き家調査を踏まえて、2016年7月26日の実習成果発表会で、7つの提案が披露された。その中から京浜 急行電鉄賞を受賞した「日本人学生と留学生のためのシェアハウス」のコンセプトをベースに、京急不動産および株式会社京急リブコ(川崎市)が金沢文庫にあった築40年の空きアパートのリノベーションを企画・施工し完成させた。

今後は、横浜市大が学生用シェアハウスとして一括借上げし、2017年4月上旬には日本人学生と外国人留学生の合計8人が住み始める予定。京急グループ・金沢区協力のもと、学生と地域住民の交流の場として活用していく。

オープニングでは、シェアハウスのアイデア出しに関わった学生が各部屋を紹介した。間取りは1階に3部屋と2階に2部屋、共用LDKがある。共用LDKには畳のスペースや廊下に和のデザインなどがあり、留学生と日本人学生のために「和モダン」な作りになっている。

金沢区は人口減少・住民の高齢化により、今後さらに空き家の増加が見込まれている。国原区長はオープニングセレモニーで「金沢区は町内会の加入率が高く、コミュニティの意識は高い。企業など多くの関係者を巻き込んで、空き家を活用したコミュニティの拠点を増やしていきたい。そうした時に、2つの総合大学がある潜在力を生かし、学生が地域活性化の核になってもらいたい」と、このシェアハウスができたプロセスに若者が参加した点に期待を込めた。

また、京急グループからはキーパネルが贈呈され、関係者によるシンボルツリーの植樹も行われた。 キーパネル贈呈   DSC_9099