不登校やひきこもりなど、生きづらさを抱えて悩んでいる若者の支援を27年前から民間団体として続けてきたK2インターナショナルグループ(横浜市磯子区)が、これまでの活動の歴史を振り返り、現在とこれからに必要な「若者支援」について、来場者とともに考える機会「なりゆき祭(sai)」を、8月21・22日の2日間、神奈川県薬業会館(横浜市磯子区西町)、また、K2インターナショナルの各拠点で開催されます。

初日の21日は、「なりゆき祭(sai)」の基調講演は、こうした状況を長年研究している若者支援の第一人者として国の委員など数多く歴任している放送大学副学長の宮本みち子さんが「若者政策について提案する」と題し、講演されました。
講演のなかで、宮本さんは若者の社会への参画までを支える政策について提案されました。安心して生活できるようにするためには教育の場にとどまらず、広範囲から支援するプラットフォームが全国におくという政策です。そこから繋がる最終的な政策の形とは、若者が大切にされる社会はすべての人が大切にされる社会を作っていく必要があるということです。そして、政策に対して長期的な視野を持つことで若者たちを育てる、つまり若者支援を一時的な流行にしてはならないということを感じる内容でした。
日本での若者支援が始まり10年が経つことで定着化してきました。そしてまだ支援が必要であるにも関わらず、経済危機のなかで若者支援政策が終わろうとしています。そこで安心して生活ができるようにするためには、教育の場にとどまらず支援機関にくる若者たちは、幼少期から問題を抱えている事例が多いため、教育、余暇活動、住宅、医療、労働、社会統合、平等政策など広範囲から支援するプラットフォームが必要です。

明日、22日は日本と韓国、それぞれの国で生きづらさを抱える若者への支援をするため、「日韓若者フォーラム」が開催されます。そこではK2インターナショナルグループが韓国・ソウル市で展開している若者支援団体メンバーが来日し、政治的な問題や文化の違いに目を向けるのではなく、協力してこれからの社会を生き抜くための方策を語り合い、実践していきます。
2日間を通じて若者支援の取り組みについて考える機会となる、なりゆき祭。当日の参加も可能です。